2003年12月24日水曜日

『旅』と『旅行』

・友達を見つけるのが旅、友達と一緒に行くのが旅行

・ひょっとしたら帰ってこられないのが旅、必ず帰ってくるのが旅行

・浪費家がケチになるのが旅、ケチが浪費家になるのが旅行

・自分を見直すのが旅、他人と見比べるのが旅行

・風呂,食事,寝床に感謝するのが旅、それが我が家より上等でないと満足しないのが旅行

・風呂で洗濯するのが旅、風呂で泳ぐのが旅行

・自分の都合で動くのが旅、他人の作ったスケジュールで動くのが旅行

2003年12月9日火曜日

猛犬注意

「危ない目に遭ったことはないんですか?」
こういう旅をしているとよく聞かれる質問である。
しかしそういう目には全く遭ったことがないのだ。
ほとんど田舎にいるのだから、外人をだましてやろう、なんていう悪い輩もそうそういない。
ただ運が良かっただけなのかもしれないけど。

しかし田舎だからこそ、という目には遭っている。
それは犬に襲われることだ。
遊牧民の多いチベットでは番犬が放し飼いにされている。
しかもこの地の犬は狼に近い種でとても強暴。
そこへトロトロ自転車で走っていくと、遥か遠くの方からガウガウ狂ったように吠えながら近寄ってきて威嚇とか無しにいきなりガブッと噛みついてくるのだ。
こんな所で予防接種などしているはずないので死亡率100%の狂犬病になったらアウトである。

初めて犬に襲われた時のこと。
その時偶然バックパックの腰ベルトがダラリと垂れていてそれに噛みついてきた。
グイグイ引っ張られながらも「助けて~!」と叫ぶと気付いた遊牧民が追っ払ってくれて助かった。

それ以後はわざとベルトを垂らしておいて、もしも襲われたとしてもまずそれに噛みついてくれるようにしておいたおかげで体を噛みつかれることなくすんだ。

今でも私のバックパックの腰ベルトには2つの牙の穴が開いている。
それを見るとチベットを思い出す。

2003年12月1日月曜日

恥部

先にも記したが中国の便所は扉はないので丸見え。
確かに最初は恥ずかしいんだけどこれは慣れの問題であり、周りも全部そうなんだから、と吹っ切ってしまえば気にならなくなるものだ。

ただ一つ、とても恥ずかしくて人に見られたくないことがあった。
中国は紙拭き文化なんだけど、私は旅中一貫して水手洗いで通してきた。
便所に行くときは500ccのペットボトル持参なのだ。
しかしその扉無し便所で尻を洗っているところを中国人に見つかると
「ウワ~!こいつ尻を手で洗ってやがる~!!」
と変な目で見られてしまうのだ。
それがとても恥ずかしくて、洗う時は人がいなくなってからじゃないと洗えなかった。

おー、紙よ!我を救い給え!

脱プン!その7(チベット編)

中国の一般的公衆便所には扉が無いことを御存知の方も多かろう。
これがチベットのド田舎なんて行くと、掘建て小屋のような建物で、大きな穴の上に丸太が渡してあってその数ヶ所開いた隙間にする、なんて所もある。
さすがに男女は分かれているけどお隣でキバっているオッサンの姿は丸見えなのだ。

そんな公衆便所が一つだけあるチベットの小さな村にいた時のこと。
その村で私は体調を崩して寝込んでいた。
腹の調子悪くその公衆便所に駆け込んだ。
すると既に先客のオッサンがキバっている。
そんなの気にする余裕無く私はゲリった。
ゲリりながらもオッサンには挨拶し自己紹介もしておいた。

翌日、まだ体調は思わしくない。
再び便所に駆け込むとなんとまた昨日のオッサンがいるではないか。
オッサンは私のくだり便を見て「まだ調子悪いようじゃのう」と声をかけてくれた。

それから2-3日調子は戻らなかった。
そして、なぜか、なぜか、便所に行く度にそのオッサンに会ってしまうのだ。
その度にオッサンは私のことを気遣ってくれるのだ。
私は涙した。

そして数日後、体が軽い!これなら!と便所に行くと、いうまでもなく今日もオッサンがキバっていた。
そして私の見事な一本グソを見て「おお!今日はいい感じじゃないか!」と。
「そうなんですよ!今日は調子いいからやっと出発できます!お世話になりました!」

我々は固い握手を交わした。
もちろん、洗っていない手で。

脱プン!その6(ネパール編)

ネパールで、山の斜面に建つ眺めよい宿に泊まっていた時のこと。
その宿には共同のトイレが一つしかなかった。
朝食後お腹もいい調子に動いてきてトイレに入ろうとしたら既に先客が頑張っていた。

しばらく経って再び行くがまだ頑張っている。
ヤバイ・・・
危険度レベルは3→4にアップした・・・

またしばらくして行ってみるがまだ頑張っているではないか!!
うわー!もう耐えられん!!
ついにレベル5到達!!

やむを得ず室内でビニール袋に脱プン。
その袋は・・・・・・・・・窓からポイ。
ネパールの山々がとっても綺麗に見えました。

潜入!女子中学校!


バングラデシュでのこと。
地元エロ兄ちゃんにいろいろ案内してもらっていた。
じゃあ次は学校を案内してやろうと言う。
しかもそこは女子中学校。
イスラムのこの国で女だけの園、女学校に入るなんていうのは日本で言えば女子更衣室に入って行くくらいのハレンチなことなのだ。

ではあるが、外国人をダシに使って秘密の花園に入ってみたい、というエロ兄ちゃんのエロ的欲望と、バングラデシュの教育現場を見学してみたい、という真面目な私の学術的欲望が、それを実行に踏み切らせる。

まず校長室を訪れ「私は日本から貴国の教育現場を見るためうんぬん・・」と挨拶。
すると校長先生は、「それはそれはようこそ、校内を案内しましょう」
授業中の各教室を回り、紹介され、生徒の質問に答えたり。

やがて「外国人が来ている」との噂が校内に広がったようで校庭にドワーと生徒が集まってしまっていた。
私が姿を見せるとキャーキャーの黄色い声。

バングラデシュの教育現場視察は、まことに有意義なものになったのでした。

潜入!村祭り!

チベットでのこと。
山あいの小さな村でお祭りをやっていた。
老若男女皆綺麗に着飾って輪になって歌い踊っている。
そこへちょいとお邪魔して見物させてもらうことにした。
すると私の存在に気付いた人々が周りに集まってきた。
その騒ぎがさらに人を呼びこむこととなり、いつしか大群衆に囲まれてしまっている。
村祭りは毎年やってくるけど、外国人が来るなんて滅多にない!ヤンヤヤンヤの大騒ぎ!!
これはちょっとマズイかなあ、と思ったとおり、やがてある人が「申し訳ないが出ていってくれんかのう?祭りが成り立たんのじゃ」

この時以外にも中国でもバングラデシュでも田舎の祭りで似たようなことが起こってしまった。
せっかく祭りが見れるチャンスだったのに・・・
こっちも向こうも残念残念な気分になりました。

スーパーマリオ

ビルマでのこと。
宿の受付にファミコンが置いてあった。
宿の兄ちゃんがスーパーマリオをやっている。
しかしとにかく下手クソなのだ。
スタートしていきなりクリボーに激突!
パックンフラワーに特攻!
奈落の底へ墜落!
何度も何度も挑戦するのだが同じ所で同じ様に死んでばかり。
後ろで黙って見守り続けていたけどもう耐えられない!
ちょっとコントローラー寄越せ!

隠し土管からワープして目の玉をひん剥かせ、ノコノコを使っての無限増殖で小便を漏らさせ、ピーチ姫を助けてクリアーし失神させてやった。
電子立国日本の面目躍如である。

しかし中国では麻雀(任天堂)をやっていた中国人が「これアガれない!不良品アルヨ!」と怒っていた。
役無し麻雀しか知らない彼らにその理由を説明するのは不可能だった・・・

分別回収

インドなんかだと家庭から出るゴミはガラスでも金属でも生ゴミでも全部一緒くたにして路地のゴミ捨て場にドバーと捨てている。
分別する、なんて面倒臭いこと一切無し。
日本だってちょっと前までは似たようなもんなんだからインドくらいなら当たり前だろ、なんてインドを見くびってはいけない。
インドこそ完璧なリサイクル国家なのだ。

そのゴミ捨て場をしばらく注目してみよう。
やがて大きな袋を担いだちょっと身なりの汚い方々が、ガラスならガラスだけを、ペットボトルならペットボトルだけをそこから拾ってゆくのだ。
生ゴミはノラ牛が食べてしまう。
そしていつしかそのゴミの山は跡形もなくなってしまう。

こうして集められたペットボトルには水道水を詰めて「ミネラルウォーターだよ!」といって外人に売ってしまう。
エコロジー先進国インドなり。

バックドラフト

中国のある町にいたときのこと。
宿の窓からふと外を見ると、何やら大群衆がゾロゾロとある方向を目指して歩いている。
気になって私もその群れに加わって歩いてゆくと、その先にあった家が火事になっていた。
その群集は野次馬の群れだったのだ。

群れが群れを呼び、道はびっしり人で埋まってしまっていた。
そこへ遠くからウーウーサイレンの音が聞こえる。
しかし大群衆に行く手を阻まれ消防車はまったく近づけない。
火はメラメラと燃え盛って、家は全焼してしまった。
なんだ、終わっちゃったか、という感じで群衆は帰路につく。
それでようやく消防車は現場に到着できたのだけど残るは灰ばかりなり。
もう何もすること無いのでそのまま帰っていきましたとさ。