2003年5月24日土曜日

ある日・・・

ついにここを去る日が来ました。
いつもはただ過ぎてゆく時間が、今日は一分一分がその時までのカウントダウンのようで貴重に感じられます。
「明日からは子供たちの『カジュー!カジュー!(私のこと)』という声がなくなって静かになっちゃうね。」
そう言われるとますます寂しさ募ります。

5ヶ月過ごした部屋を整理していると、次々と家族の人がやって来て、旅の安全を祈って、と首・腕・指にいろいろなお守りをいただきました。
せっかく荷物を少しでも軽く、と思っていたのにすげー重い壁絵などももらってしまって嬉しいやら困るやら・・

出発の時間は刻々と迫って来ます。
みんななぜか無言。
言わねばならない、でも言いたくない・・・。
よし、あの秒針が12の所を指したら言おう、思わず顔を伏せてしまいました。
この顔を上げなければ秒針はもう一回り猶予を与えてくれる・・・
しかし顔を上げるとちょうど針は12の所を指していたのでした。
「じゃあ、もう出発するよ。」

玄関まで総勢20人以上の家族全員が見送ってくれました。
一人一人と握手し別れの挨拶。
みんな複雑な表情。
こっちも思わずジーンと来てしまいます。
すると中の一人が言いました。
「またきっと戻ってくるんだよ!」

そうだ、私はまたここに戻ってくるんだ。
メソメソなんかしてられない!
込み上げてくる熱いものをグッとこらえて笑顔に戻って言いました。
「また、会いましょう!!」

バラナシの、ある暑い日の出来事です。