人通りの少ない路地裏を歩いていた時のこと。
一人の男が話し掛けてきた。
「私はガイドではなくただあなたと話がしたい。」
典型的なガイド勧誘パターンなのでムゲなく断るとその男はアッサリと引き下がっていった。
妙に弱気だな?と不思議に思って再び歩き出したその直後にまた別の男が寄ってきて話し掛けてきた。
「俺はポリスだ。お前は今アイツと何を話していたのだ?お前をボディチェックする必要がある!」
その男はどう見ても普通のそこら辺にいるインド人オッサンだったので、こりゃニセ者だな、とすぐピンと来た。
「だったらポリスの証明書を見せてくれよ。」
「い、いや、今はないが私はポリスである!」
「だったらこんな路地裏じゃなくてポリスステーションでならボディーチェックを受けますよ」
そう言って逆にオッサンの腕をつかんで大通りの方へ引きずり出そうとしたら腕を振り払って逃げていった。
ニセポリスに逢ったのはこれで2度目だ。
1度目はトルコのイスタンブールでのこと。
道を歩いていたら横に車が停まって、中の男が「私はポリスだ。ボディチェックする!」ときた。
「手帳を見せろ」というと、その男はちゃんと手帳を持っていた。
でもその手帳の表紙にはトルコ語で「POLIS」と書くところ、ワザワザ英語で「POLICE」と書いてあったオモチャの様な手帳だったので素早くその手帳を奪って道の向こうに放り投げてダッシュで逃げた。
長らくこの町に居たせいで、やや危険に対する警戒が薄れていたところだったので気を引き締め直す丁度いいきっかけになりました。
2003年5月4日日曜日
超犯罪都市