中国の一般的公衆便所には扉が無いことを御存知の方も多かろう。
これがチベットのド田舎なんて行くと、掘建て小屋のような建物で、大きな穴の上に丸太が渡してあってその数ヶ所開いた隙間にする、なんて所もある。
さすがに男女は分かれているけどお隣でキバっているオッサンの姿は丸見えなのだ。
そんな公衆便所が一つだけあるチベットの小さな村にいた時のこと。
その村で私は体調を崩して寝込んでいた。
腹の調子悪くその公衆便所に駆け込んだ。
すると既に先客のオッサンがキバっている。
そんなの気にする余裕無く私はゲリった。
ゲリりながらもオッサンには挨拶し自己紹介もしておいた。
翌日、まだ体調は思わしくない。
再び便所に駆け込むとなんとまた昨日のオッサンがいるではないか。
オッサンは私のくだり便を見て「まだ調子悪いようじゃのう」と声をかけてくれた。
それから2-3日調子は戻らなかった。
そして、なぜか、なぜか、便所に行く度にそのオッサンに会ってしまうのだ。
その度にオッサンは私のことを気遣ってくれるのだ。
私は涙した。
そして数日後、体が軽い!これなら!と便所に行くと、いうまでもなく今日もオッサンがキバっていた。
そして私の見事な一本グソを見て「おお!今日はいい感じじゃないか!」と。
「そうなんですよ!今日は調子いいからやっと出発できます!お世話になりました!」
我々は固い握手を交わした。
もちろん、洗っていない手で。
2003年12月1日月曜日
脱プン!その7(チベット編)