中国のある町にいたときのこと。
宿の窓からふと外を見ると、何やら大群衆がゾロゾロとある方向を目指して歩いている。
気になって私もその群れに加わって歩いてゆくと、その先にあった家が火事になっていた。
その群集は野次馬の群れだったのだ。
群れが群れを呼び、道はびっしり人で埋まってしまっていた。
そこへ遠くからウーウーサイレンの音が聞こえる。
しかし大群衆に行く手を阻まれ消防車はまったく近づけない。
火はメラメラと燃え盛って、家は全焼してしまった。
なんだ、終わっちゃったか、という感じで群衆は帰路につく。
それでようやく消防車は現場に到着できたのだけど残るは灰ばかりなり。
もう何もすること無いのでそのまま帰っていきましたとさ。
2003年12月1日月曜日
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