ここ龍勝は小さな町なので普段これといったイベントがなく基本的に退屈である。
だから火事でも起ころうものなら(実際あった)、めしの最中だろうが、赤んぼが泣き喚こうが、自分の家が火事になろうがとりあえず見に行かねば損だ!とばかりに大騒ぎになる。
そんなこの町で先日、町内バスケットボール大会に毛の生えたようなイベントがあった。
それでも滅多にない貴重なイベントなので開会式には獅子舞が出たり、民族舞踊があったりと主催者の気合が感じられる。
試合そのものは取りたてて述べることはないのだが、試合開始・終了の合図に「ジャーーーーーン!!!」と銅鑼が鳴らされたのがいかにも中国的。
表彰式の小姐がチャイナドレスだったのもGood!
中国バンザイ。
2005年9月30日金曜日
タイクツな日々
生日快楽
先日33歳の誕生日を中国で迎えました。
今年は女子高生に囲まれ祝ってもらい、幸薄き私の人生で最良の誕生日になりました。
塾生らが買ってきてくれた大きな誕生日ケーキは見た目も素晴らしいですが、味も見た目通りものすごく甘くて、甘党の私ですらウップとなるくらい。
でも塾生らも「甘すぎる」とブーブー言っていたので私の味覚はまだ狂っていないようです。
つまるところ何が言いたいかというと、ただの自慢です。
失礼いたしました。
漢字テスト
以下の中国語の意味を答えよ。
<初級>
1.麻雀 2.酒鬼 3.手球 4.平頭 5.雪人 6.火車 7.空中小姐
<中級>
8.手紙 9.自来水 10.太太 11.老婆 12.宝宝 13.百姓 14.手機
<上級>
15.暗算 16.三明治 17.一級方程式 18.巴西 19.黄色書 20.熊猫
<解答>
1.すずめ。マージャンは「麻将」と書く。
2.のんべえ。のんだくれ。
3.ハンドボール。「足球」はサッカーのこと。
4.角刈り。中国男性オフィシャルヘアスタイル。
5.雪だるま。
6.鉄道。
7.スチュワーデス。
8.トイレットペーパー。Letterのことは「信」と書く。
9.水道。
10.嫁さん。中国語の「太」にデブの意味はない。
11.これも嫁さん。謙譲の精神??
12.赤ちゃん。子は宝ですね。
13.一般庶民。もちろん放送禁止用語ではない。
14.携帯電話。
15.計略にはめること。中国で「暗算が得意です」と言うと友達を失います。
そらで計算することは「心算」という。
16.サンドイッチ。音の当て字。「サンミンジー」と読むのだが・・。
17.F1。フォーミュラワンの直訳ですね。
18.ブラジル。これも音の当て字。「バーシー」と読むのだが・・。
19.エロ本。中国のエロは桃色ではない。
20.パンダ。
<判定>
0-1:合格可能性20%以下。受験校の再考を要する。
2-4:あなたは横浜の中華街に行ったことがありますね。
5-7:あなたはチャイナドレスを着ている人に興味がありますね。
8-10:あなたは「少林寺三十六房」を見たことがありますね。
11-13:あなたは少林寺で修行したことがありますね。
14-16:あなたはサモ・ハン・キンポーですね。
17-19:あなたは毛沢東ですね。
20:一度専門の医師に看てもらうことを勧めます。
2005年9月13日火曜日
最近の生活
私は今中国南部の龍勝という、端から端まで歩いて30分もかからない小さな山間の町にいます。
すでに2ヶ月近く経とうとしていますが、そんな何もない町で一体何をしているのだ?!と言う声は聞かないけどこっちから先に報告させていただきます。
無論最大の目的は日本語を教えることなんですが、それは夕方2時間(今は1.5時間)にすぎません。
まず午前。
今日やる授業のためのプリント作りと合間に話す小ネタ作り。
飽きられないような、難しくなりすぎないような、しかも有効で効率的な内容を考えるのは大変な作業ですが大変面白くもあります。
私のやっていることには「人生を教える」ようなことは含まれないのでその分お気楽ですが、本物の教師というのは更に大変な仕事なんだろうなあ、とつくづく感じさせられました。
午後は自らの中国語上達のための実地訓練。
といってもただその辺の暇そうな人と喋るだけです。
宿には喋り好き・世話好きのおばちゃんがいて、私の話す言葉をいちいち直してくれて大変ありがたく思っていたのですがその言葉はどう聞いても普通話(共通語)ではない。
この辺りの方言(桂林話)かな?と思っていたら更にそれを通り越して少数民族トン族の言葉でした。
という訳で最近は日・中・トンのトリリンガルです。
夕方は日本語のお勉強会。
そして夜はみんなでテーブルを囲んでの夕食です。
この前までは夏休み中で、バイトの若い人が住み込みで何人か働いていたのでよい話相手になってくれていたのですが、9月に入って皆復学してしまったため、話相手がいなくなり暇になってしまいました。
そこで老板(ボス)に「何か仕事を手伝わせてくれ」と頼み併設されているレストランの服務員になりました。
さっそくもっとも忙しい接客部門にまわされたのですが、客のオーダーが聞き取れないという致命的欠陥があることが判明、わずか30分でクビ。
皿洗い兼掃除という誰でもできる部門に配置され今に至ります。
報酬は夕食無料招待。
その夕食は主にその日の残り食材で作られるので客の入りが悪いと魚ドーンの豪華食卓になるのですが、忙しい日には菜っ葉と肝だけの鍋だったりして巨大ポリバケツいっぱいに捨てられていく客の残飯(ブタの餌になる)の方がはるかに美味そうに思えることもあります。
こんな感じで毎日やってます。
6月6日にUFOが・・・
よく行く食堂で、おばちゃんが問う。
「あんたこの町に2ヶ月近くもいるけど一体何してんの?」
私答える。「フフフ、よくぞ聞いてくれました。私はここで日本語『会話』を教えているのだ。しかも無料で。」
おばちゃん「アイヤー!それなら私達にも教えてちょーだいよ!」
私「もちろん歓迎光臨!」
そして数日後、本当におばちゃんはやって来た。
息子を連れて。
ちょうどその時授業中だったので、取り合えず今日のところは見学してもらうことにして2人を部屋に招き入れて内容の説明をする。
しかしなぜかおばちゃんらは「?」顔。
私の発音が悪いのかと思い、塾生に説明を頼む。
しばらくやり取りした後、おばちゃんと息子は恥ずかしそうに「ゴメンゴメン」と言って出ていってしまった。
塾生が「あのおばちゃんはここを『絵画』教室だと思って来たらしい」と言う。
なんでそんな勘違いが起きたのか塾生らも腑に落ちない様子で「おばちゃんになんて説明したの?」と聞く。
「ただ『会話』を教えている、と言っただけなんだけど・・・?」と話すと塾生一同「それだ!!!」
聞けば「会話」と「絵画」は「hui(下がりぎみ)hua(下がりぎみ)」でまったく同じ発音。
そこで勘違いが生じたようだ。
いわれて初めて気がついた。
中国語の一文字が持つ発音は約400種。
それぞれに4種の抑揚があるので計1400種(ない発音がある)。
漢字2文字の組み合わせとなると単純に計算して
1400×1400=約200万通り。
わずか200万分の1の偶然に出くわすとは・・・。
おばちゃんゴメンネ。
お詫びの印に、今度日本の代表的絵画手法である「ドラえもんの絵描き歌」を伝授しようかと思っています。
まるかいてチョン!
タコ社長
情報の出所は忘れてしまったのだが、外国人(この場合は欧米人)が日本の文化を勉強しようと思い「男はつらいよ」を見たときに、必ず驚くことがあるという。
それは夕食のシーン。
寅さん達がちゃぶ台を囲んでいるところへ、ひょっこりタコ社長がやってくる。
すると寅さん「おうタコ社長!一緒にメシ食ってきやがれってんだべらぼうめ! 結構毛だらけ猫灰だらけ!」
タコ社長「はあ、それじゃあ遠慮なくお呼ばれしていこうかね」
・・・・・・
欧米人から見ると、明らかに食事をしているだろう時間帯にアポもなく訪れる失礼さもさる事ながら、それをあっさり受け入れてしまうというおおらかな文化に驚くらしい。
欧米では前もって日時を決め、招く側も招かれる側もそれなりの準備をして、というのが常識的であるからだ。
しかし残念ながら日本のこの古き良き文化も今ではほとんど絶滅してしまった。
でも!
中国の田舎ではまだしっかり健在であった!!
最近の夕食は毎日宿の一家と一緒にテーブルを囲んでいるのだけど、固定メンバー7人の他に、毎日必ず3・4人は部外者が混じっている。
それは親戚だったり、近所の人だったり、友達だったりで、つまり偶然そこにいた(あるいは来てしまった)人は何の遠慮もなく仲間に入れてもらえる訳だ。
中国の食事は大皿に盛られた料理をみんなでつつく方式なので数人増えようが、茶碗と箸を準備するだけでよくまことに都合がよい。
そしてこの輪に入れてもらえた時が中国を旅していて一番喜びを感じる時でもあるのだ。
2005年9月8日木曜日
ゆとり教育
長い旅のせいで少々のことには動じなくなってしまった私であるが、最近久し振りにビックリタマゲタことがあった。
それは中国の教育スケジュールである。
うちの塾生らは、公立高校普通科の2年生なのだが、一日の授業は朝7:30から夜10:00まで。
うち昼と夕方に2時間ずつの食事休憩があるが実質はそれでも一日10時間授業・・・。
(日本語はその夕方休み中にやっている)
さらに驚くべきは、何と週休0日制!!
ただ土曜だけ夜の部がなくなる。
それ以外は一週間ビッチリ時間割は埋まっている。
週67時間、一ヶ月約300時間・・・。
年度末には2ヶ月の夏休みがあるが、うち40日は補講期間となり上記と同じスケジュール。
あとは旧正月と秋に数日ずつの休みがあるだけ。
日本では「ゆとり教育」とかでどんどん授業時間は減っていく傾向にあるのとはまったく正反対の教育方針。
どちらの方式が果たして有益なのか?
答えは20年、30年後に出るのかな?
2005年9月1日木曜日
犯人は誰だ?!
私は今中国の100元札(=1300円)の偽札を持っている。
100元の偽札は国内に相当蔓延しているようなのだが、最高額紙幣がこの100元札なので、銀行で両替したとき以外は入手する機会はないはずだから自分とは無縁の話だろう、とまったく油断していた。
(銀行も信用ならん、という話も聞いたことがあるが・・・)
しかし金儲けしていなくても実際中国を旅すると100元札を入手する機会は結構ある。
というのは多くの中国の宿ではデポジットを必要とするので、チェックアウトの時の返金に100元札を受け取ることになるのだ。
私はまさにこのパターン(広州のユースでやられた!)。
国が保証して正札と取り替えてくれる、ような甘っちょろいことは中国ではしてくれないので一度手に入れてしまったら、ババ抜きの要領で誰か他人に押し付けるしかない。
しかしあまりにも有名なために誰もがこれでもかというくらい執拗にチェックするのでとても使う機会が見つからない。(一見わからないのだが、よくよく見るとかなりアラが目立つ)
つまりババ抜きといっても、中国人には裏の透けてみえるトランプで勝負しているようなものなので勝てるわけがない。
負の土産として諦めるしかなさそう。
恐らくチェックすることのない、チェックの仕方も知らない外国人は格好のターゲットだろう。
ここでフト思う。
偽札を作って儲かるのは果たして誰か?
狭い目で見れば、もちろん偽札を作った人らである。
しかし広ーーい目で見てみて、私のような愚かな外国人の手にすべて集結しているとすると・・・
これはほとんど元手のかからない外貨獲得になっているではないか!!
そうか!わかった!!
犯人は中国政府だ!
ここの政府なら涼しい顔してこれくらいのことやるね、絶対。
(写真:上が真札、下が偽札。左下の「100」の位置や右端の番号の位置が違うのはバージョンの違いによる)