2004年4月5日月曜日

そこのけそこのけ自動小銃が通る(その3)


寝る前おかしらは言った。
「一人で寝るか?それともこの辺りは危険だから一緒に寝てやろうか?」
私のホモ感知センサーは瞬時にレッドゾーンを振り切った。
「一人で寝ます。」

30分後静かに部屋の扉が開いた。
おかしらだった。
おかしらは私の布団の横にドッカリと座る。
「自転車で疲れているだろう。マッサージしてやろう」

この手のシチュエーションには以前中東の旅でも何度か遭遇している。
もはや驚くことではなく、対処の仕方も熟知していた。
しかしそれらの時と今と決定的に違うのは、おかしらの腰元にはトカレフが巻かれているのである!
下手に怒らせたりするととんでもないことになりそうなので慎重に様子を伺うことにする。

おかしらはまず私の両足をマッサージし始めた。
そしてさりげなく私のMrニョロニョロに触ってくる。
それが意外にいい感じで、危うくMrスナフキンになってしまいそうになったので慌てて手で押しのけた。
するとその押しのけた手をとって今度は腕をマッサージし始める。
そしてその腕をおかしらの股間にグイグイ押し付けてくるのだ。
手の甲に当たる感触から、おかしらの自家製トカレフは既に対戦車用バズーカと化しているのがわかってしまう。
そしてついに私の掌でその砲身を握らせようとした。

「おー、ストップストップ!もう寝るよ!勘弁して!」
するとおかしらは意外にあっさりと諦めて、とても残念そうな顔をして部屋を出て行った。
しかしその後もまたいつ現れるかと気が気じゃなくて安眠どころではない。

翌朝・・・
おかしらは何事も無かったかのように元の紳士に戻っていた。
そして領内のドライブに連れて行ってくれた。
もちろんおかしらは自分で運転などせず、用心棒2人と自動小銃2丁を連れてのことである。

別れ際、「もしこの先困るようなことがあれば私の名前を出すがよい」といって見送ってくれた。
幸い困るようなことは起こらず、会う人会う人、皆暖かく親切でそして誇り高き部族達であった。

(写真:翌朝のおかしらファミリー)