2004年12月7日火曜日

食事の話

私はどんなものでもおいしく食べられてしまうくちなので旅先でも困ることが少ない。
ツァンパはまずい、と書いたけどあれはネタ上のことであって本当はおいしく食べている。
腐っているもの食べても、この料理はこういう変な味付けなんだな、ウマイ!と食べてしまって翌日腹壊す。
だから「この辺でウマイ店知ってますか?」と聞かれると大変に困ってしまう。
どこだって美味しく思えるからだ。

ただ、たった一つだけどうしても食べられないものがある。
それは「レバー」。
これはもうウマイ・マズイの話じゃなくて人間がプラスチックを食べられないように、私にはレバーは食べられないのだ。

で、ある時チベットで。
明らかに貧しそうなお宅に泊めてもらえることになった。
「今日は特別なお客さんだから、特別料理ですよー!」
てな感じでおかみさんがワザワザ買ってきたものは、バケツに山盛り入った理科の解剖実験直後のような内臓の山。
それを、素材の味を究極に活かし切る料理法「塩茹で」にしたものが私の前のさらにドサッと盛られた。
せっかくのもてなしを「これは食えません」などと言って断ることはできぬ。
オートリバースしてしまいそうなうごめく胃袋(私のね)を押さえつけ、冷や汗タラタラ、ひざガクガク、涙目になりながら何とか食べれば
「どう、おいしい?」
「はい、おいしいです」
ドサッ、再び山盛り・・・。