2003年4月9日水曜日

人生の節目

人生の節目となる大イベントといえば結婚。
ここバラナシでその結婚式に参列させてもらうことができました。
一言で結婚式といっても数日にわたり数々の儀式・イベントがあるわけですが、その内の私が参加したのは、花婿が花嫁の家へ白馬に乗ってお迎えに上がる、といったくだり。
笑っちゃ駄目だよ、当人はいたって真剣だよ、というわけではじまりはじまり。

まず招待を受けた一家はピカピカのドレスに着替えます。
顔には白い粉を塗ります(肌は白い方が良い、という見方があるようです。そんなこと思わなくてもいいのに・・・)。
それを塗るとツヤを失い血の気のひいたような顔色になるので式場はゾンビの集会みたいでちょっと不気味です。

親達は「式に呼ばれるとお金ばっかかかって仕方ないわ」とブツブツ文句をたれながら御祝儀を包みます(ヒンズーのしきたりでは、めでたい時は101、201ルピーのように末が「1」の数を。逆に香典は「0」になる額を包む。)。

会場に着くと振る舞われる菓子・タバコ・料理(酒はない)などをパクつきながらダベっています。
いったいいつになったら始まりやがるんだい!とイライラが頂点に達するころ、やっと白馬に乗ってギラギラに着飾った王子様の登場!
しかしすぐ王女様と対面、というわけではなくまずは町内にお披露目のパレード。

パレード隊がこれまた派手で、まず先頭には轟音立てる発電機(人力で運ぶ)。
その電気は続く電飾隊(頭上にネオンランプを乗せて歩く)20人へ。
更に続くはタイコ・トランペットなどの楽器隊10人。
そしてその音楽に合わせ踊り狂う人(ラリっている)数十名。
やっと最後尾に白馬の王子様。

この一隊が1時間くらいかけて町内を巡るのです。
所々で止まって撮影会があったり、御祝儀の小銭をふりかけられたり。
小銭がばらまかれると、そこへウワーっとガキや乞食が群がってすごいことになります。
当然交通渋滞がおこるが我関せず。

やっとのこさ戻ってきた頃には既に王子様は疲れきっているけどやっとこれからが本番です。
王子様は玉座に座らされ、王女様の登場を待ちます。
またここでもじらせるだけじらせて、やがて家の奥からすっぽりベールに顔を覆い隠された王女様が
シズシズと登場。
王子様は立ちあがり王女様を迎えます。
王子様は王女様のベールをめくり首に花輪をかけると周囲から「おめでとう!」の声。

ここでやっと2人並んで席に着くんだけどここからがまた長い。
あとはひたすら招待客との記念撮影。
ニコニコ笑っているのは後ろの取り巻きばかりで、本人等はぐったり疲れきっちゃった表情が印象的でした。

その晩王子様は王女様の家で初めて一緒の夜を過ごすわけです。
これまでの人生、溜めに溜めたエネルギーをドカン!と爆発させ、摩擦熱で周囲の気温が2度上昇しそうだけど、あの疲れ切った顔で大丈夫かねえ、などと要らん心配をしながらわれらは家路に就くのでした。

当人よりも周りの方が盛り上がり、やたらと金のかかるのはどの国も同じなようで・・・