2005年6月7日火曜日

そして奇跡は起こった

もう一台のカメラは長年愛用しているオリンパスのミュー・ズーム。
いわゆる普通の「バカチョンカメラ」というやつだ。

3ヶ月前インドのホーリー祭の時。
この祭りは色水をぶっ掛けあう狂った祭りである、というのは以前ここに書いた。
その色水はプラスチック製品や衣類に強力に浸透してしまって色が取れなくなるので宿の屋上で色水を掛け合う前に、ビニール袋の中にカメラと身に着けていたお守りの品々を外して入れておいたのだ。

ビシャビシャギャーギャーやっていたその時、一匹の大きなサルがノソッと寄って来てその大切なビニール袋を強奪してしまった。
ワーワー追っかけてもサルは屋根から木へとヒョイヒョイ飛び移ってしまって手が出せない。
サルは悠々と袋の中を調べるが、食べ物がないと知るとアッサリその袋を放棄してしまった。
といってもそこは地上5階に匹敵する木の上。
あわれ私のカメラの入った袋は(重力加速度)×(地上に達するまでの時間)のスピードで地面に叩きつけられた…。

気を失いそうになる身を立て直し、ダッシュで階段を駆け下り、頑丈に施錠してある扉を「緊急事態だ!すぐ開けろ!!」と開けさせ、袋の所へ駆け寄る。
袋の中にはグチャグチャに潰れたカメラの残骸が……なかった。
プラスチック製のスライド式レンズカバーが割れて外れていたが、他は何にも問題なく作動する。
地上15mから落下してこれだけの損害で済むのか?!
そんなことってあるのか?!?!

しかし、同じく袋の中に入れてあった、以前チベットのラサを発つ時もらった石の腕輪がグシャッと潰されたようにひしゃげていた。
チベットのお寺で買った木製の数珠に傷がついていた。
この2つがクッションとなりカメラを守ってくれたというのか?!

今でもそのカメラはレンズカバーはないものの何の支障もなく写真を撮り続けている。
チベットの神様、ありがとう。
オリンパスの方々、ちょっとの間でもミノルタに浮気してしまった私をお許しください。
それ以降チベットとオリンパスの方向には足を向けて寝られない。
なるべくミノルタの方向に足を向けて寝るようにしている。