2005年6月7日火曜日

ショッピングと私

シンガポールの街。
デパートにショッピングコンプレックス。
世界各国の味が楽しめるレストランの数々。
東京と全く変わらない。
いや、加えて中華街、アラブ街、インド街。
東京以上の密度でありとあらゆるものが揃っている。
日系デパートもある。
地下には巨大スーパー。
日本コーナーには醤油・味噌・お茶にお菓子。
何でもある。

でも。
店内をくまなく眺め歩き、たこ焼き・寿司・牛丼の並ぶ食堂街をやり過ごし、結局何一つ買うことなく出てしまった。
別に何を欲しいとも食べたいとも感じなかったのだ。
その後中華屋台でそばをすすりながら、自分では思いも寄らぬ自分自身の行動に自らが一番驚いていた。
長い旅の中にいたせいで頭のネジが一本抜けてしまったのではないか?
もう日本の生活には馴染むことが出来ないのではないか?
本気で心配になった。

だが。
そんなはずはないのだ。
だってついこの前までいたインドではカレー地獄の毎日にとりあえず何でもいいから他の味付けのものが食べたい!
と思い続けていたし、お菓子屋に並ぶスパイシー味だらけのポテトチップを見てはイカ姿フライ(5枚100円)や歌舞伎揚げの味を思い出し、口内に唾液をためていたのだから。

しかし。
このように「そんなに言うならこれでどうだ!文句はねーだろ!!ドドーン!!!」
と並べ立てられてしまうと、目移りして、クラクラして、もうそれだけでお腹いっぱい、勘弁してください、となってしまったようだ。

きっと。
西チベットのど真ん中にたこ焼き屋台がポツンと一軒あったなら、側にテントを張り10連泊してたこ焼きを食べ続けたことだろう。
バングラの片田舎に「寿がきや・バングラ片田舎店」があったならビザを延長してでも毎日通って肉卵入りラーメンを食べ、食後にはクリームぜんざいを注文することだろう。
(名古屋の人しか分からんネタでスマン)

手の届くところにないからそれが買いたくなる。
購買欲とはそういうものなのかも。