2005年6月14日火曜日

J・A・P!

シンガポールでは観光らしきことはせず、特に目的も決めずブラブラ歩いているだけで何かしら無料イベントとかやっていてそれなりに楽しめた。
だが一ヶ所だけ自ら望んで行った所がある。
それは太平洋戦争当時の日本軍の作った俘虜収容所跡地に建てられた博物館。
小さな建物だが、中には日本兵の行った捕虜への残虐な行為を数々の写真(さらし首とか銃殺とか)で示してありブルーな気分になる。
しかし以前韓国の同様の博物館でもかなりブルーになったが、ブルー度はいまいちである。
どうしてかな?
少し考えてわかった。
あれは「韓国に建てられた韓国人による韓国人のための博物館」だった。
しかしここは「シンガポールに建てられた英国人による英国人のための博物館」であり、多数の被害者を出したはずの地元中国人やマレー人、インド人は無視されていた。

展示物の中に日本軍を風刺した漫画があるのだが、ビックリしたのはその説明文で
「路面電車の出口から小便をする"JAP"」とか
「夜な夜なジキジキハウスで楽しむ"JAP"」とか
「戦争初期は太っていたが末期はガリガリになった"JAP"」とか
とにかく『JAP』のオンパレードなのだ。
いくら日本軍の悪行の博物館とはいえ、公共のこの場で「JAP」連発はあまりに酷いのでは…。
日本で政治家がたとえ弾みでも「バカチョンカメラ」とでも言おうものならテポドンが200発ぐらい飛んできそうなものだが…。
日本大使館は抗議できないのかな?

戦勝国の優越感+敗戦国の引け目+日本独特の遠慮。
おそらく永久にこのままだろう。
入り口に掲げられたスローガン。
「忘れてはならぬ。ジャップの行為を。」