2008年2月12日火曜日

チベットの空

チベットで遊牧民のテントに泊まらせてもらったときのこと。
朝早く起きて乳絞りをしたあとは放牧に出る。
私もお手伝い(といってもただついていっただけ)。
草地に放ったあとは草原でゴロリお昼寝。
雨季の後の草原は青々とした草が芽吹き、空は抜けるような青空、ポカリと白い雲が浮かんでいる。
うーん、こんな所で横になって流れる雲を見るのが夢だったのだ!

で、ゴロリ。
・・・・ウ・・・・アレ・・・・ジリジリ・・・・暑い、いや、熱い!
日差しが強烈すぎてとても空など見ていられない!
昼寝するにも顔を服で覆わねば!
そして流れる雲が太陽にさしかかる。
・・・・ウ・・・・アレ・・・・寒い!
日が隠れたとたんモーレツに寒くなる。
とてもTシャツ短パンじゃいられないので着込む。
雲が取れる・・・・熱い!
なかなかじっとしていられないのだ。
その点遊牧民の民族服はやはり地元の気候に合った作りになっているようで、露出しているのは顔と手の先だけ。でもその部分だけは真っ黒に日焼けしてガサガサ。

やがて夕暮れ時。
しかしチベットに夕焼けはない。
空気が薄く大気中にチリ・水分が少ないから。
考えてみれば当たり前だけど日の沈む前は赤くなるのが普通と思っている我々にはちょっと不思議。
そしてこの日が沈む直前の東方の景色を見るとそれはそれは美しいのだ。
空・草・水、すべての色が映えて見える。
その日が山の向こうに沈むとやはり突然寒さがやってくる。
そして1時間も経たないうちに満天の星空。

これが日本には存在しない、4300mから見る空。