一年前私は30歳になった。
いったいどこでこの記念すべき日を迎えるのだろう、とだいぶ前から気にしていたのだが、結局東チベットのとんでもない山深い中で、しかも周りに人も住んでいないような所なのでその辺の空き地にテントを張ってキャンプしていた。
暗くなるとやることもないのでさっさと寝た。
静かな30歳の訪れだった。
しかし翌朝目が覚めて外に出てみると、昨日は雲がかかっていてわからなかったのだが目の前にドカ〜ンと巨大な三角形の雪山が顔を見せていた。
誰にも祝ってもらえなかったけどこの山だけが祝ってくれているような気がした。
しかしそもそもチベット人は誕生日を祝う習慣はないらしい。
それどころか一般の人は自分の誕生日すら知らないのだ。
(ダライラマだけは特別で、ラマの誕生日はチベットの祝日)
大切なのは日ではなく生まれた曜日である。
これはビルマ仏教でも同じで、各曜日ごとに自分の守護動物(?)があり、それに願をかけるのだ。
日−トリ、月−トラ、火−ライオン、水(午前)−牙ありゾウ
水(午後)−牙なしゾウ、木−ネズミ、金−モグラ、土−竜
あなたは何曜日生まれですか?
2003年9月6日土曜日
ハッピーバースデー!