2008年1月23日水曜日

ホモ達の輪!(火曜)


同じくそのヨルダンの宿での話。
イラクからの出稼ぎ二人が「今晩飲みに行こう」と誘ってくれた。ついさっきまで「この辺りのスナックは太ったネーチャンがいてグヘグヘだ(アラブ人はデブが好き)」というような高尚な話をしていたので、そういったところを見ておくのも文化人類学発展のためには悪くないな、と快諾。

そして夜。
二人に連れられて向かった先はそういった店がありそうな街の中心地ではなく住宅地、しかも体を横にしないと進めないような薄暗い路地裏の方だった。そして着いたのはスナックでもなんでもない一軒のボロ民家。扉を開けると床に男ばかり10人くらいが車座になっている。全員イラク人で、アラク(松脂のような香りのする蒸留酒。水を加えると白く濁る)をグビグビ飲んでいる。
かなりビビリながらも話しているうち次第に打ち解け、アメリカの悪口とか言い合ってると随分楽しくなってきた。調子にのって飲み続けているうち、フト気付くと周りに座っていた男らがだいぶ減っている。私をここへ連れてきた二人も「お前はまだ残って飲んでていいぞ」と言い残し先に帰ってしまった。

結局最後まで居たのはここの元々の住民二人と私の計三人。三人ともかなりベロベロになってそろそろ寝ようかということになった。寝る前に流しで顔を洗っていると男の一人がスルスルと寄って来て、後ろからガシッと羽交い絞めにし熱い生臭い息を吐きかけてくるではないか。そこは軽く振り払って寝床へ向かった。すると三人分布団が敷いてあるにもかかわらず、その男は私の布団の中へ入ろうとしてくる。そんなのを相手するのも億劫なくらい酔っていて「いかんいかん」と押しのけていたのだが、あまりにしつこいので「止めんか!」と一喝するとスゴスゴ自分の布団へ引き下がって行った。
ようやく安眠・・・。

して翌朝。
昨晩のことなど何事もなかったかのように男は私を宿まで送り届けてくれ「友情の印に」と売り物のネクタイを一本くれた。このネクタイは記念に今も封を開けずにとってある。

(写真:その宿のロビーにて。当事者は写ってません)