2004年1月10日土曜日

第10話 希望の光

入院3日目。

なんとわずかであるが左足の指が動いた。
ピクピクとではあるが動いたのだ。
やっぱり私はついているなあ、先生、看護婦さん、見てよ!この足!
ほら!ほら!動くでしょ!

・・・というところで目が覚めた。
ぼんやりした頭で左足に神経を集中してみた。
何も感じない。
ピクリとも動かない。
そんな事起こるわけないよなあ、とあきらめの思い。
夢にまで出るほどのショックであることの悲しさ。

しかしいつまでもクヨクヨしていては埒があかない。
この事態を少しでも良い方向に向けられるよう考えねば。
幸いなことにひざより上は大丈夫だ。
アキレス腱も正常である。
おそらく普通に立ち上がることは難無いだろう。
あとはブラブラになる足首をテーピングなどで固定すればいいのではないか。
そうすれば多少不格好でも歩くことはできそうだ。

そう考えていたらこんな怪我たいした怪我じゃないような気がしてきた。
それより逆にこの怪我をなんとかうまく利用できないものか。
障害者手帳とって、電車に只で乗れたりしないかな。
18切符ともこれでおさらばだぜ!
何だかウキウキしてきたぞ!

しかしこのウキウキ感も心の底からの本物のウキウキ感ではないことは充分過ぎるほどその時の私には分かっていた。