出発に備えての準備をする。
半年間一緒に旅してきた数々の品々。
でも全部持って帰るには重過ぎるので多くをここで処分した。
ほとんどは病室に出入りする人々がもらってくれた。
それらには折鶴と「ありがとう」の言葉を添えて。
明日日本に帰ることを話すと、みんな
「よかったねー!でも寂しいねえ。また来てね!」
と言ってくれ、うれしいのだが事故では来たくない。
中には見たことのない人まで混じっているので私が不思議そうな顔をしていると、その人は言った。
「私の声に聞き覚えがないかな?」
おー!その声は電話交換手の人ではないですか!
毎日のように話はしてたんだけど、わざわざ見送りに来てくれるとは感激!
みんな頼んでもほとんど仕事をしてくれない人達でイライラすることも多かったけど、ベッドから動けない私にとって時々現れる彼ら彼女らと話ができる時間は一時の安らぎであったことは確かだ。
病院という一種変わった世界の中にも感動的な出会いがあった。
まるでこの旅の最後を象徴するかのようだ。
そう、あと4時間後、一眠りした後にはここを出て日本への道が始まるのだから…
2004年1月16日金曜日
第20話 準備完了!