2004年1月20日火曜日

第26話 真実

日本の病院にそのまま入院することになった。

こちらの担当の先生(もちろん日本人)にトルコの病院から預かってきた診断書・手術経過書・レントゲン写真などを渡す。
診断書などはもちろん全て英語で書いてあって読んでみようと思ったのだが、一分で眠くなってしまうような代物だったのでそのまま先生に渡した。

その結果、驚くべき事実が明らかになった。
まず私が日本の病院に真っ先に期待していたのは、この動かなくなってしまった足を何とかしてもらいたいということだった。
しかしそのための処置はもう既に完璧に済んでいたのだった。

つまり、私がガスでグースカ寝ている間にトルコのお医者様は切れた神経を顕微鏡で覗きながら縫合手術をしてくれていたのだ。
ただ神経というのは、切れたのを結んだからといってすぐに回復するわけじゃなくて、切れた個所から1日1ミリずつゆっくり感覚が戻っていくらしいのだ。
ひざから下、全て戻るまで約一年。

そう言われてみればトルコでの初めての回診のとき、医者はいろいろ説明してくれていたのだが私は頭が真っ白になってしまって全然聞いていなかっただけで、もしかしたらその辺も言ってくれていたのかもしれない。(第9話参照のこと)