2004年1月4日日曜日

第3話 緊急輸送

車は近くの町に向かっていた。
軽い振動を体に受けながら自分の体について何がどんな状態なのか判断していた。

この時点で一番ひどいことになっているだろうと思われたのは顔面の右半分。
特に右眼球である。
左目を隠して右目だけで見てみると視界の中心部が全く見えない。
右目が失明という事態は想定せねばならないな、と思った。

口の中は大丈夫そうだ。
歯も揃っている。
両腕、指の関節を動かしてみる。
全て問題無し。
同様に右足も問題無し。
なんだ、意外と平気じゃないか。
ただ一つだけ気がかりなことがあった。
左足のふくらはぎに強い痛みと腫れを感じ始めていたことだった。
これはもしかしたら骨折しているかもしれないな、そうなったら入院も長くなり、ちょっとやっかいだな。

なんて思っているうち町の病院に到着した。