2004年1月8日木曜日

第8話 目覚め

目が覚めた。
何だかすごく明るい部屋にいた。
ここはどこだろう?
そうだ、トルコだ、そして確か車にはねられ病院に連れてこられたのだ。
そしていい気分のガスを吸ったのだ。
ということはここは手術室だな。
はあ、これから足の手術か、痛いだろうな、嫌だな。
いろいろ考えた。
そして横にいた看護婦さんに聞いてみた。

「私のオペは?」
「終わったわよ」
「へ?!?!」

ビックリした。
確かに妙に明るいと思ったのは体を照らすライトの光ではなく窓から入ってくる日光の光だった。
妙に重く感じていた左足は、痛みのためではなくギプスと包帯のためであった。
体は硬い手術台ではなく、柔らかいベッドと枕の上に横たわっていた。
全てが終わっていたのだ。
全身麻酔の威力がここまですさまじいとは思わなかった。

でもこの日はその余波を受け一日中眠かった。
食事が配られても「ありがとう」と言った直後に寝ていたし、もう食べ終わったと思って食器を下げに来たときに目覚めて「は、今食べます!」と体を動かしたところで再びお眠り。
三度目に「いいかげんに食べなさい!」と怒られやっと口をつけることとなった。
でもあんまり美味いものではなく食欲も無いので、ほとんど無理矢理口に押し込んでいたようなものだ。

とにかく一日中眠くて食事以外はひたすら眠っていた。