2004年1月7日水曜日

第7話 本番

さっきの部屋に戻り顔面の裂傷部を縫う手術をした。
チクチクチクと、まあ手際よく顔の手術は終了。

さていよいよ足の方かな、と思ったら私がさっき夕食を食べたばかりだというのでしばらく待つことになってしまった。
仕方ないのでその先生相手に今までの旅のバカ話をしたところゲラゲラウケてくれたのはよかったのだけどこっちは顔も足もグチャグチャの状態なのでつらいところ。

ネタも尽きかけたところでやっと
「それではそろそろオペします、フニャララ」
とまた流暢な英語で説明された。
相変わらず理解できてないけど、彼に任せておけば大丈夫だろう。
でもいちおう最後に彼に言っておいた。
「Don't cut my left leg!」

明るい手術室に入るとすぐ顔前に「シュー!」と音を立てるガスマスクのようなものが近づけられた。
「これは眠るためのもの?」
「Yes」
「それじゃ、おやすみなさい」
そう言ってこの気体を胸一杯吸い込んだ。

うおー!すごくいい気持ち!
体中の痛みがスゥーと消え、まさに天にも昇る気持ち!
どんな麻薬もこれにはかなわないだろう!
こりゃいっぱい吸っとかなきゃ損だ!
と二口目を吸いこんでいる最中、私の意識は百億万光年遥か彼方に飛んでいった。