2004年1月7日水曜日

第6話 開始

担架(キャスター付)に乗せられ救急口から中に入り病院の廊下を駆け足で進んでゆく。
流れゆく天井を見ながら「ううむ、テレビドラマみたいだな」と思った。
しかしドラマと違うのは、勢いよすぎて曲り角で壁にぶつかったり押し戸の部屋に入ろうとしたが扉に鍵がかかっていて激突したりすること。
そのたびに担架の上でのたうちわまる私であった。

とりあえず検査室のようなところに入り応急処置が施された。
落ち着いた雰囲気の先生が来て、落ち着いた感じで英語で説明された。
でも専門用語が多く私の達者な理解力を持ってしてもあまり理解できず、とりあえず
「ウンウン、サインですね、ハイしましたよ、もうさっさと麻酔でもしてこの痛みから開放してくださいな」
と投げやりにはなってないがとにかく何かしてもらいたかった。

担架は再びテレビドラマ風にX線室に向かい何ヶ所か写真を撮った。
そこの係の兄ちゃんが涙が出るほど不親切で、こっちの体がボロボロなの知ってるくせに
「さあこっちの台に移って!」
「もっと横だよ!」
「ハイひっくり返って!」
「もっと下へもっと下へ!」
とやたらうるさい。
少しは優しくしてもらいたいもんだ。