優しいスッチーが言う。
「もしトイレに行きたくなったら遠慮なくお申し付け下さい。肩をお貸ししますので。」
な、なにー!
これはぜひ遠慮なく肩をお借りしたい!
私は遠慮なく水やビールをがぶ飲みし、遠慮なく膀胱をいっぱいにさせ、遠慮なく言った。
「はいはーい!すみません!トイレに行きたいんですけど!」
「承知しました。少々お待ち下さいませ。」
あれれ?
スッチーはどこかに行ってしまった。
代わりにやって来たのは、フランス人大型スチュワード3人。
3人にひょいと担ぎ上げられ他の乗客の視線を浴びながら通路を運ばれる。
「祭りだ祭りだ!ケンカ神輿だ!ワッショイ!ワッショイ!」
神輿はトイレに到着したが、狭い室内で四苦八苦していると外から「ドンドンドン!大丈夫か?!何かあったのか?」と必要以上に気を遣ってくれて嬉しい限りであります。
もちろん帰りもケンカ神輿。
以降水分を控えたのはいうまでもない。
2004年1月20日火曜日
第24話 祭り