2004年1月12日月曜日

第13話 顔面麻痺

入院5日目。

昨日荷物が返ったことで視力の回復が可能となった。
それとともに鏡も戻り、事故後初めて自分の顔を見ることができた。
やはりショックだった。

しかしそのショックには2つの意味がある。
1つは当然のように、目の回りのあざ、右半分カサブタだらけで所々に縫った跡があるという惨めな顔。
そしてもう1つは意外に軽い怪我だったということだ。
実際見てみるまでは鼻の右側から唇にかけて何やらべったりと重いものが張りついているような感覚があった。
きっとカサブタの上に大きなバンソウコウでもあるのだと思っていた。
しかし実際は何もなし。
つまりこの重い感覚はそうではなく、この部分の触覚が麻痺してしまったために起こっていたのだ。
足だけでなく顔面の一部の感覚まで失ってしまった。
少なからずショックだった。

まあここでも不幸中の幸いというか、顔の縦に細い部分の麻痺だけに表情を失うことも無さそうだし、目・鼻・口も正常に動きそうだし、日常生活には問題無さそうだ。