2004年1月12日月曜日

第12話 連絡

荷物が返ってきたことで突然忙しくなった。
各方面への電話連絡ができるようになったのだ。
日本の実家へ、友人宅へ、そして保険会社へ。
トルコの日本大使館へ、警察へ。

ベッドからは一歩も下りられない状態なので枕もとの電話から病院の交換手を通して電話する。
電話回線が貧弱なのでなかなかつながらなくてもどかしい。

保険会社。
非常に親身に対応してくれてありがたかった。
諸々の治療費、輸送費、帰国の手配、リハビリ代、全て面倒みてくれることになった。
自分では何もできない今の状況でこれ以上の助けはない。
ありがとうございました。

大使館。
日本人大使館員が出て、全く感情のこもっていない機械的な対応で事務的なことだけ質問してきた。
「あなたのいる所はイスタンブールの領事館の受け持ちなのでそちらに連絡してください。」
ガチャ、ツーツー。
最後まで機械的な対応で締めくくりやがった。
死ね。

気を取り直して領事館。
こちらでは人間的な対応をしてくれ、警察・軍隊への証明書の発行などのサポートをしてくれることになった。
以前イスタンブールの領事館に手紙を取りに行った時、超豪華ホテル別館ワンフロア−貸し切って使っているのを見て外務省の贅沢さにあきれたものだったが、今回の対応の素早さに、それくらいは免じてやるものとする。

やはり気が重いのは日本の家族・友人への連絡である。
ドヨ〜ンとした感じで伝えるのも嫌だし明るくバカっぽく伝えるのも変だし・・・
冷静に事実だけを伝えることにした。