病院にやって来た。
あの時は夜に入り、早朝に出ていったのでどんな所か分からなかったのだが来てみてビックリ。
庭・噴水付の豪華私立病院だったのだ。
懐かしい院内に入り、通りかかった人に当時一番よくしてくれた看護士さんの名前を伝えた。
しかしその人は数ヶ月前にここを辞めていたのだった。
残念な気持ちで帰ろうとすると、そこに白衣に身を包んだ男が通りかかった。
「あっ!」と声をあげたのは同時だった。
そう、その人は足の手術を担当し、入院中にいろいろ面倒を見てくれた主事の先生なのだ。
元気にピョンピョン走り回って見せるととても喜んでくれ、
「また事故ったらここに運んでもらえよ!」
とニコニコ話してくれた。
でもそれは勘弁。
・・・
2ヶ月後、ついに目的の地であるユーラシア大陸最西端、ロカ岬に立った。
<完>
2004年1月20日火曜日
第31話 大団円